ーー「須藤くん、すごい怪我だったねぇ。」
……お昼休み。
私は教室で夏帆とお弁当を食べていた。
そして教室にはもう上原と須藤くんの姿はない。
どうやら屋上とか食堂とか、そういうところで食べているのだろう。
夏帆も朝のことには驚いたらしく、朝の話をした。
「あんなこと、今までで一度もなかったよね。」
そう言いながら、昨日のことを思い出してみる。
もしかして……
須藤くんが昨日言ってた男の人の彼女に手を出してたとか!?
それで昨日修羅場になった、みたいな。
実は外では遊びまくってたりして………。
って、須藤くんはそんな人間じゃないはず。
じゃあ本当に親と喧嘩したの?
複雑な家庭環境なのかな………。
それしか考えられないよね。
だって一緒に帰ったはずの上原は無傷だったし。
ああ、でも上原なら逃げかねないな………ってまた2人のこと考えてるよ、私。
いくら考えても答えなんて出るわけないし無駄なのに。



