「それにしてはすっげぇ怪我だな。
口は切れてないのか?」
「まぁ切れてるけど大丈夫。」
「消毒は?」
「してるよ。ていうかそこまで酷くないから。」
気にしないで、とでも言いたげな須藤くんだけど………
こんな怪我してるのに、気にしないなんてできるわけない。
多分そう思ってるのは私だけではないはず。
それでも須藤くんはまた笑うだけ。
だけど上原を含めた全員、それ以上なにも触れることはできなくて………
その時タイミングよく、1時間目担当の先生が入ってきた。
だから上原も大人しく席につき………
いつもより静かな教室で、授業が始まった。



