次の日の文化祭。
私たちのクラスの劇はダントツで人気で、大好評だった。
上原も珍しく真面目にやっていて、そんな初めて見る真剣な上原に女の子のハートは撃ち抜かれたらしく……
次の日から学年関わらず多くの女子が、上原へアタックしていた。
それは1週間以上経った今でも変わらなくて。
「あー、モテる男は辛いねぇ。」
なんて言う上原に、クラスの男子はブーイングの嵐。
「調子乗んなよ海斗。」
「付き合ったらその日にフラれるんじゃね?」
「ひどっ……!俺だって一途に愛する男だから。な、夏帆?」
夏帆に同意を求める上原。
そんな上原に、夏帆の顔は真っ赤に染まり………
たったそれだけなのに
やっぱり胸はズキズキ痛むわけで。
「あのね、文化祭の日の劇が終わった後
よくやったなって褒めてくれたんだぁ。
本当にかっこよかったんだよ!」
何も知らない夏帆が本当の上原を知る私に対し、ただ幸せそうに話す。
やっぱりこの笑顔を、傷つけなくてよかった。