それは私だけじゃなく、上原やクラスのみんなも同じだった。 騒がしかった教室が静かになる。 そして真っ先に口を開いたのは…… 上原だった。 「慎也!? その怪我、どうしたんだ!?」 心配そうな顔で上原は須藤くんに駆け寄る。 ……そう、須藤くんの顔には大きな殴られたあざができていた。 ガーゼを貼っているけど、隠しきれていない。 綺麗な顔に傷ができ、痛々しかった。 「ああ、昨日ちょっと親と喧嘩しただけ。」 平然と、眉を下げながら笑顔を浮かべて話す須藤くんだけどそんな軽いものじゃない。