いつも通りにできないのが、私。
「じゃあ俺行くわ。
……これからはいつも通り接してくれた方が助かる。普通に避けられんのもきついし。」
それだけ言い残し、上原は私の返事を聞かずに教室を出て行った。
わかってる。
このまま避け続けたらさすがに周りに勘づかれることぐらい。
夏帆に、周りにこの気持ちがバレたらいけないことぐらい。
………ねぇ、私ね。
こんなに引きずるくらい、上原のことが好きなんだよって。
伝えれたらどれだけ良かっただろう。
でも………伝えられない。
「……っ、上原!」
いつまで引きずってても、何も起こらないってわかってるから………
前に進むチャンスは、今なんだって思った。
なら、無理矢理でも一言かけるべきだ。
「……何?」
少し驚きつつ、少し先にいる上原はこちらを向いた。
笑顔を作れ、私。
「……劇、期待してる。
あんたが真面目にやってくれるって。
悔しいけど、本気のあんたはめちゃくちゃかっこいいから!」
きっと、いつも通りの私なはずだ。
少しの間があいたあと、上原は………
「ははっ、なんだよそれ。
なら真面目にやるしかねぇな。」
なんて言って、上原にしては少し幼く笑った。
いつもはドキドキしてた、そんな些細な動作でも今は………
苦しい。



