人気者の上原はいつも不機嫌





ーー文化祭前日



「小野田さーん!」
「真菜ちゃん!こっちも来てほしい!」


「慎也これどうするべき?」
「須藤くん、模造紙ってどこにあるかな?」



体育館でリハーサルのため、移動中。


だから移動する荷物は多いし、ある程度流れを聞いている文化祭委員の私と須藤くんは忙しかった。


でも今はこれぐらいがちょうどよくて。



………あれから何となく、上原を避けている私。



気まずくて話せない。


だけど文化祭準備で忙しいのもあったから、特に私たちが話してなくても誰からも不思議に思われることはなかった。


「……あ、どうしよう……!」


その時、隣を歩いていた夏帆が突然そんなことを言い出した。


「どうしたの?」
「台本、机の上に忘れちゃって……!」


それは一大事だ。
確認作業もあるし。


「じゃあ私とってくるよ!」
「そんな、悪いよ……!」


「いいのいいの!
夏帆は衣装の着替えとかもあるでしょ?」


それだけ言い残し、私は教室へと駆け足で戻る。