ーー「……小野田さん?」
近くで誰かが私の名前を呼ぶ。
低くて落ち着いた声音。
さっきからうまく頭が回らない。
「小野田さん。」
須藤くんが私の顔を覗き込むようにして見て、ようやく我に返る。
「ご、ごめん………何?」
無理矢理笑顔を作る。
今は私の家の最寄りから家に向かっていて、帰ってる途中で
今も私はこうして須藤くんに送ってもらっている。
あの後教室に戻ってから、集中できないでいると須藤くんがそんな私に気づいたのか
『今日はもう帰ろう?』と言ってくれて、長居せずに済んだ。
私が帰る時も上原は教室に戻ってこなくて少し安心した。
「大丈夫……?」
心配そうに私を見る須藤くん。
今、優しくされるとダメ。
泣きそうになる。
それに私が心配されていいほどの内容じゃない。
むしろ最低だと思われる内容なのだ。



