ああ、どうして上原を好きになってしまったんだろう。
どうして、上原のこと深く知ってしまったんだろう…………
「………ごめん。
私は、上原の気持ちに応えられない。」
ううん、応えるのが怖いだけ。
好きだよと
言葉にできたらどれだけ良かっただろう。
そんな勇気、ない。
夏帆を裏切るなんて
傷つけるなんて
私にはできなくて………
最後まで、上原の顔を見れなくて
俯いたまま落ちた袋を手に取り、上原から離れる。
被服室を駆け足で出て、教室に戻る。
もう身体の熱は冷めきっていて
だけどさっきまで上原に力強く抱きしめられて、何度も何度も深いキスをされたことはすぐ思い出された。
………バカ。
私も上原も、大バカ野郎だ。
何してんのよ私。
夏帆を傷つけるのは絶対、嫌なのに………。
この気持ちが、一瞬で消えてなくなればいいのに
もう、全て忘れてしまいたい。
両想いというものが、あれほど幸せで
でも同時にこんなに苦しいなんて……
どうせなら、知りたくなかった。



