「お前ってさ……慎也のこと、好きなのか?」
「……………はい!?」
驚きのあまり大きな声が出てしまい、教室中の視線が私たちに集まる。
「大きい声出すなよ……!」
「あ、あんたが急にわけのわからないこと言うから……!」
「え、じゃあ好きじゃないのか?」
「逆になんで好きだと思ったの!?
そりゃ人当たりもいいし、理想の彼氏像だけど………」
そもそも距離を置かれてるし、須藤くんは遠い存在のようにも感じる。
「へぇ。だって小野田、慎也にだけ態度違うじゃん。」
「逆でしょ?上原にだけ態度が違うんだよ。」
「いやいや、だからそうじゃないんだって。」
「はぁ?
なんかわけわかんないけど、そりゃあんな完璧な人なら敬うしかないでしょ。」
私がそう返したところで、タイミングよく教室のドアが開き、須藤くんが入ってきた。
だけど私はそんな須藤くんを見て………
思わず固まってしまう。