「一応練習しとく?」
なんて、また悪そうに笑う上原。
「しない。
フリなんて簡単にできるでしょ。」
「でも俺間違って本当にしかねないからなぁ。
バカだから。」
「……はぁ?意味わかんないんだけど。」
いいから早く離れてほしい。
じゃないと本当に気持ちが抑えきれなくなる。
だけど上原は離れる気はないらしく……
また、さっきと同じように私の顎を持ち上げた。
「ほら、さっきみたいに目閉じてみ。」
そんなこと言われたって……
「本当にフリでしょうね?」
「俺が嘘つくように見える?」
残念だけど嘘つきの塊にしか見えない。
………わかってた。
目を閉じればどうなるかなんて。
こいつがどうするかなんて。
それでも目を閉じたってことは、どういうことかなんて多分上原にも伝わってる。
上原の、息がかかる。
多分もうすぐそこ。
そして………
やっぱり唇が、重ねられた。



