なるべく距離を保つため後ろに下がるけど、残念ながら後ろは壁。
待ってこれ逃げ場ないんじゃ………
あっという間に壁に追いつめられる。
そんな私の顔の真横に手をトンッと置かれてしまう。
か、壁ドンってやつですねこれ。
上原の憎たらしいほど整った顔が、悪そうに笑い私を見ている。
もうさっきからドキドキが止まらなくて、心臓がうるさい。
「逃がさねぇよ?」
そう低い声で囁かれ、顔があつくなる。
「な、何急に……!
離れてよ!」
胸元を押すけれど微動だにしない。
意地悪そうに笑う上原を見ると余計顔があつくなるから俯く。
こいつの目的って何………!
だけどすぐ私の顎を持ち上げる上原。
視界いっぱいに上原の顔が映り、もう限界だった。
絶対今顔真っ赤だし、鼓動もうるさい。
今までの私ならきっと抵抗してた。
何してるのって、言えてた。
でも言えなかった。
他のこと、何も考えられなくなって、
気づけば目を閉じてた。
これじゃあもう、自分に嘘はつけない。
もう、気づかないふりができない。
上原を、好きだってことに………。



