「うーん、一応上原に言っておこう。
ちゃんとやれって。」
「そ、そんなの言えないよ……」
「でも私が言ったらあいつ、逆のことしそうだからなぁ。」
夏帆のことならなんでもやってくれそう。
彼女だし、当然か。
………あー、また胸が痛いよ。
どうかしてる。
自分で勝手に思っといて傷つくとかバカみたい。
なんて思っていたら、上原で採寸が終わりのようで帰ってきた。
「海斗って体育の時いつも思うけど、意外と筋肉あるよな。」
「それ俺も思った。
なのに運動できないっておかしいくねぇか?」
………どうやら上原、軽くピンチ?
このままバレればいいのに、なんてちょっと意地悪で思ってしまう。
「えー!
お前ら着替えてる時といい、さっきといい男の体見るってことはもしかして……
あっち系か!?
残念だけど俺は女しか無理だからな!」
だけどさすがは上原。
そうやって動揺もせず、すぐさま言葉を返す。
「んなわけないだろ。
普通に見た時だよ。」
「腕相撲なら海斗強いかもな?」
「どうだろうなー?
あ、でももしかしたら筋肉ありすぎて体重くなって動かねぇとか?
そっか、だから俺は運動音痴だったのか……!」
そうやって冗談を言って、周りが笑う。
あっという間に話はそれてしまった。
ああいうとこ、本当さすがだよね。
今思えば話流すのが自然でうまいっていうか。



