だから、そんな小野田が本当の俺をみたらどんな反応するんだろうなって
考えたりもして。
『ねぇ、海斗〜?』
甘ったるい女の高い声が、俺の名前を呼ぶけど全くそそられない。
腕を絡める女が面倒くさいとさえ思ってしまう。
………つい最近、小野田の親友らしい夏帆と付き合った。
ある意味好都合だったから。
もし、そんなことバレたら小野田はガチギレするんだろうな、とか。
あいつは周りを優先する人間だから
とか。
そんなことを考えていたからかもしれない。
小野田に、裏の自分がバレたのは………。
『バカ』、『最低』、『変態』って
すぐ口を悪くして俺に色々言うけど
少しでも触れたりキスするだけで
顔を真っ赤にして照れる。
だんだん小野田の割合が俺の中ででかくなってるんだけど。
もう、本気になるつもりなんてなかったのに。
だから小野田は本当に、俺の調子を狂わせる。
どんな時も、いつだって………。