『小野田さんってさ、本当に真っ直ぐな子なんだね。』
『………は?』
『この間さ、毎回海斗にめげずに教えてるけど嫌にならないの?って聞いてみたんだ。
そしたら小野田さん、なんて答えたと思う?』
そんなこと聞いたのか。
でも小野田のことだ、慎也の予想を裏切ったのだろう。
『“自分が教えてなかったらもっと悪いかもしれないって思ったら、私が教えてあげないとってなる”って、答えたんだ。
自分の教え方が悪いのかもって。
あんな真面目で純粋な子、この年代にいたんだってびっくりした。』
それは、俺も予想外だった。
普通なら途中で諦めるか、もっと怒るのが当然だ。
だけど小野田は怒るけど、確かにめげずに教えてくれる。
なんか、賢いくせに……
『結構なバカ、なんだな。』
これは褒め言葉。