『さっきは無視してごめんね?
緊張してて話せなかったの。』
笑顔を消し、今度は申し訳なさそうにして謝る小野田。
………変な女。
こんな人間は初めてで、素直にそう思った。
ただの気強い女かなって思ってたけど、素直に無視した理由を言って謝るし、可愛く笑う。
どうやら、気が強いわけじゃないらしい。
なんか面白いなって思って、思わず素で笑いそうになったけど我慢する。
この時がきっかけで、俺は小野田を悪い意味で言ったら利用し、いい意味で言ったら仲良くなった。
ただ単に、小野田がどういう人間か知りたかっただけかもしれない。
どうせ他のやつと同じだろうなと思いながら。
でも、小野田は違った。
頑張って俺に勉強を教えてくれてる。
どんだけ小野田が頑張ろうと俺はいい点数を取るつもりはないけど。
毎回怒ってもう教えないと言いながらも、どうやったらわかりやすく教えれるかいつも考えてきてくれる。
正直わかりやすい。
もしかしたら先生よりも。
だけど俺はちゃんとやらない。
なのに小野田は自分の教え方が悪いと思い、毎回頭を悩ませてる。
そんなある日。
あの、慎也が小野田の話をした時は本当に驚いた。