『えー、なんでだよー。』
それでも気にせず話しかけると、小野田は俺から視線をそらして無視してきた。
まじかよ、今時こんな堂々と無視する奴なんていたんだ。
でも、その後入学式が始まってすぐ
『では、新入生代表の挨拶。
代表者の小野田真菜さんは前に出てきてください。』
という先生の声が聞こえてきた。
あー、確か首席で合格したやつが出るんだっけ。
女が首席か。
なんて思っていたら突然隣が立ち上がり、
『はい。』とよく通る声で返事した。
……こいつが首席だったんだ。
まあいかにも真面目で勉強できますって感じしてるからな。
特に驚くことなかった。
小野田は壇上に上がった後も堂々としていて、女に対して初めてかっこいいな、なんて思った俺。
そんな小野田は席に戻る時も堂々と歩いていた。
だけどそんな小野田が席に着く瞬間……
俺の顔を見て、
『緊張したー。良かった。』なんて言って、意外にも可愛いらしい笑顔を浮かべた。
不覚にもそんな小野田を見てドキッとしたのも無理はない。
いわゆるギャップっていうやつだ、これは。