だけど俺は正直、このままでいいと思っていた。
それは多分、慎也も同じだったと思う。
優斗さんと誠さんについていく形でもいいと、それ以上の欲なんてなかった。
でも、仲間たちに恵まれていた俺だというのに
その優斗さんの率いる族でさえも、俺は壊してしまった。
それは高校生になる間近の3月のことだった………。
『どう考えても海斗のせいじゃないだろ。』
俺を庇った優斗さんは頭に大きな傷を負い、意識不明の重体までになっていた。
そんな優斗さんが意識を取り戻して数日後に言われたこの言葉。
違う、俺のせいだ。
あんなことになったのは。
なのに俺は大きな怪我なんてしていないし、なんなら普通に学校に通える体だった。
そんな俺に優斗さんは続けてこう言った。
『じゃあ、そんな海斗に後は任せようと思う。
この機会だし、俺と誠は降りることにしたんだ。
海斗と、慎也が無事なのも何かの縁だ。
2人でまた俺たちの族を再起してくれ。』
強い、揺るがない瞳で俺を見つめてきた優斗さん。
今思えば………小野田も、こういう目をする時がある。



