そして、案の定。
『海斗、まじで面白かったんだけど!』
『サッカーうまいし、めっちゃモテてたけどそれ以上のものだったわ。』
『なんだよあの明らかに作ったようなキャラ!
あー、思い出しただけで笑える。』
めちゃくちゃ笑われた。
嫌だったけど同時に笑ってくれて安心している自分もいて
理由でも聞かれたら説明しないといけねぇのかな、とかどう思うのかなとか色々考えてたからそんな悩みが一気に吹き飛んだ。
やっぱりここは心地がいい。
素でいられるから、学校でも家でも“人気者の優等生”を抵抗なく演じれた。
自分を見失わずに過ごすことができ、あの時優斗さんについて行って間違いじゃなかったと思えた。
そんなある日の学校の帰り道。
その日も優斗さんと会った時みたいに雨がひどくて、今日はまっすぐ家に帰ろうと思っていた。
雨がひどいなと思いながら、歩いている中
俺は1人の男が目に入った。
この雨の中、前の俺みたいに傘をささず、倒れている男たちをただ無表情に眺めていた男。
それが慎也だった。
俺と優斗さんが会ったのも偶然のように、また慎也と会ったのも偶然だった。



