人気者の上原はいつも不機嫌




『あいつら、お前が倒した感じ?』



チラッと倒れている男たちに目をやり、平然とした顔で俺にそう聞いた。


『そうみたいです。』


『そうみたいって……何?
覚えてないってやつ?』


その人は楽しそうな、面白いものを見つけたかのように笑う。


『なんか、向こうから喧嘩売ってきて
気づいたらああなってました。』


『へぇ。
じゃあお前から仕掛けたわけじゃないんだ。』


『そういう面倒ごとは嫌なんでしませんよ、俺は。』



……不思議だった。


今思い返しても不思議でならない。


初対面の人なのに
どうしてこうも話せるのか。


本音を言えるのか。



『いいな、お前。
……これから時間ある?』



時間。
どこかに連れて行くつもりだろうか。


家に帰る気もなかったから、ありますと言うとスッと手を差し伸ばされた。


『じゃあ俺についてきて。
少し歩くけど。』


それは俺にとっての分かれ道といっても過言ではなかった。


その手を取るか、それとも断るか。


だけど俺は、抵抗なんて一切なかったから迷わずその手を取ると、すごい力で引っ張られ自然と立ち上がる。


その力はあの倒れている3人とは比べものにならなくて、相当強いなってそれだけでわかった。