単純に整った顔立ちをした、雨に似合わない人だなと思った。
その人も年上に見えて、見慣れない制服だし多分高校生だろうと思った。
その人に差し出された傘は、俺が探していたものでお礼を言う。
『………それです。
ありがとうございます。』
一応他人には敬語を使うことに慣れてるから、敬語で話す。
一部例外もいるけど。
そこに倒れている男とか、さっき逃げた先輩とか。
『こんな雨の中そこにいたら風邪ひくぞ?』
その人はこんな俺に対してそう言って笑った。
怖くねぇのかな。
こんな大雨の中、傘もささず壁にもたれているバカな男を見て。
気味が悪いとか思わねぇのかな。
『なんか、動く気になれなくて。』
『ははっ、そりゃそんな重い制服着てるもんな。』
笑いながら、その人は俺の前でしゃがんだ。



