『やめてください。
海斗はまだ8歳です。
そんな子に、強要するのは良くない。
好きなことをやらせて何が悪いの?』
母さんはそんな父親を前にしても俺を庇っていた。
だけどもう、その光景を見てしまったからには俺は全部諦めた。
父親の思い通りになれば、こんなことにはならない。
だから次の日
俺は母さんに『メンバーが合わない』と嘘をついてクラブチームをやめた。
だけどそんな2人が離婚したのは、それからすぐのこと。
離婚してから母さんは俺に『もうサッカーはいいの?』と何度も聞かれた。
もしかしたら気を遣ったのだということがバレていたのかもしれない。
父親と離婚して最初こそ悲しそうだった母さんを元気づけようと明るくいることを心に決めた。
それから“良い子”になること。
そうすればもう母さんがそんな辛い思いをすることはないと、学校でも先生や周りに好かれるよう心がけた。
2人が離婚してからもそれは変らず続けた。



