ーー俺が歳を重ねるごとに、だんだんと増えていく両親の喧嘩。
というかそれはほぼ一方的なもので。
幼い俺にはなんでそんなに父親が母さんを怒るのか、全く分からなかった。
でもいつしかその原因が“俺”だということに気づいていった。
両親は共働きだったからいつも家に帰ると1人が多かった。
それは別に苦じゃなかったけど暇だったのは確かだった。
その時なんとなくテレビで観ていたサッカーの試合。
そのサッカーの試合を観て、強い憧れを抱いた。
テレビに映る選手は輝いて見えて、素直にいいなとこの時の俺は思っていた。
サッカーの試合に夢中になってると、たまたま母さんが早く帰ってきてそんな俺に話しかけてきた。
『海斗、サッカーに興味あるの?』
……それがきっかけでクラブのチームに入った俺は、いつしか毎日が楽しくなって
メンバーにも恵まれてたし、もともと運動神経が良かった俺はあっという間に上手くなっていった。
ただ、その裏で母さんが辛い思いをしているのも知らずに。



