人気者の上原はいつも不機嫌




ーー駅に着き、電車に乗る。


「………うわぁ、ほぼ貸切状態だ。」


車両の中は私と上原以外、1人の女の人がイヤフォンをしながら寝ているだけだった。


こんなことあまりないから、少しわくわくする私は精神年齢が子供なのかもしれない。



席に座るけど、そりゃ上原と隣になるわけで


やっと落ち着いたっていうのに、またドキドキし始める私はおかしい。


しかもこの電車は各駅停車じゃないため、次の駅まで少し時間がある。



「人、いなかったら好きなことし放題だな。」



突然ぽつりと呟く上原。


「なんか、上原がそれ言ったら下心しか感じないんだけど。」


まあ私に下心があるなんてこれっぽっちも思ってないけどさ。


「んー、まあ結構合ってるかもな?」


ニヤッと笑う上原は悪魔にしか見えない。
ついでに言うと変態な悪魔。


一応少しだけ2人の間を空ける。


「お前って警戒心強すぎ。」
「あんたがいらないこと言うからでしょ。」


じゃないとこんな警戒しないっての。


「ま、安心しろよ。
お前みたいな威嚇して懐かないやつは興味ねぇから。」


「………なによ、威嚇って。
私を何かの動物に例えないで。」



また顔をそらして怒ったふりをするけど、結構胸が痛んだわけで。


興味ない、って言われて本当なら私もだよって怒ってるはずなのに、腹が立つどころかなに悲しんでるんだろ。