人気者の上原はいつも不機嫌





「危ないなお前。
そのうち怪我すんぞ。」


「ご、ごめん。」


なんがこの間も須藤くんに言われた気がする。
ちゃんと周りを見ないと本気で事故りそう。



気をつけようって思い、上原から離れようとしたんだけど……


「……ねぇ。」
「なに。」


「なに、じゃなくて!
早く離してよ。」


全然手を離してくれなくて身動きがとれないんだけど。


至近距離に上原がいて、さっきから心臓がドキドキうるさい。


でもドキドキうるさいのも、顔があつくなるのも、多分暑さのせい。



「お前、顔に出てる。
可愛いとこあるんだな。」


「な、なに言ってんの気持ち悪い……!
暑いだけだから!!暑苦しいし早く離れて!」


恥ずかしくて上原から顔をそらす。


「あ、怒った。」


なんて笑いながら言うあたり、上原に余裕が感じられてムカつく……!



ようやく離されると、顔を見られないように上原の一歩前を歩く。



「……照れ隠し?」
「うるっさい!それ以上言うな!」


明らかに私をからかってくるから嫌だ。
本当に嫌だ。


「そもそも誰かに見られたりしたら上原が困るんだからね!?」


「夏休みだからそんな滅多に会わねぇだろ。」


滅多にってことは会うかもしれないじゃん!



もう知らない、なんて心の中で1人怒りながら私は速く歩き、駅へと向かった。