人気者の上原はいつも不機嫌




もう、夏帆に隠すのをやめたのかな。


「……そうだね、帰ろうか。」


今の上原を見て驚く夏帆や、私に対し、須藤くんだけが落ち着いて普段通り話した。



「じゃあ帰りも別々でいいよな。
夏帆に、話すことがあるから。」



上原がまっすぐ夏帆を見つめる。


そんな上原を見て、少し肩をビクッと震わせた夏帆。



「………大丈夫だよ。」



私だって最初は怖かったけど、今じゃ平気だから。


意外と優しいところもあるし。



「じゃあ私たちは先に帰るね。」


2人が話しやすいよう、私は立ち上がり2人にそう言った。


夏帆はまだどこか不安げにしていた。


でも多分、そんな不安もなくなるはずだ。
ただ……



夏帆が、傷つくかどうかは別の話だけど。


須藤くんの隣に行き、去り際、私は上原の方を向いて目を合わせた。



「上原、助けてくれてありがとう。」



さっきは涙が邪魔をしてお礼を言うことができなかったから。


そんな私を見て上原は一瞬驚いた顔をした後、ふっと軽く笑った。


「どういたしまして。」


上原がそう言ったのを聞いた後、今度こそ私は「じゃあね。」と言って須藤くんと一緒に駅へと向かって歩き出した。