遠隔操作で車のキーを開ける男。
やっぱりその車はこいつらのもののようで………。
私を見て、「怖い?」って笑いながら聞いてきたから「別に。」と答えた。
でも、それはただの強がり。
男たちには見透かされてるようで、ニヤニヤ笑われる。
1人の男が私から離れ、後頭部座席のドアを開けた。
「どうぞ。」
って、悪魔のような笑みを浮かべられ、ゾッとした。
だけど今更どうすることもできないから、諦めて乗ると暑苦しく、たばこの匂いがした。
あーあ、これ浴衣ににおいつくよ。
一度、ドアがバタンと閉められる。
外で男たちが何やら話してるけど逃げようと思わない。
逃げてもまた捕まる気しかしないから。
1人、たばこの匂いが充満する暑い車の中は精神を追い詰めるのに十分だった。
こんな風に、夏帆も精神的に追い詰められてたのだろう。
次、夏帆に会ったら
まずなんて言おう。
やっぱり謝ることが1番大事だろう。
ごめんって、謝って
その次はちゃんと話すべきだな。
洸哉のことも、2人のことも。
あ、じゃあ2人も連れてきた方がいいかな。
だけど夏帆の泣いてる姿はもう見たくないなって、心から思った。
この状況でこんなこと考える自分に笑えてくる。
ていうか男たちが一向に車に乗り込む気配はない。
遅いな、別に長引いてくれた方がいいんだけど……
なんて思ったら私が乗り込んだ方のドアが突然開いた。
あ、もしかして2人に挟まれる感じ?
なんて思いながら、震える手を出してぎゅっと握って我慢し、ドアの方を見ると……
「………え、なんで……」
開いたドアを見て、私は思わず頭が真っ白になる。



