ーー夏帆が行ってから、少ししか時間が空いてないはずなのに中々姿が見えない。
その上あまりに人が多いため、うまく動けない。
押しのけて通るのもどうかと思い、なるべく急ぎつつ前に進んで行った。
そしてようやく祭会場の端の方に着き、人が一気に少なくなる。
屋台もほとんどないそこに、夏帆はいた。
一見、壁にもたれながらぼうっとしているようにも見えるけどきっと色々考えてる。
その瞳は切なく揺れていた。
少し緊張しながら、私は夏帆の名前を呼ぶ。
一瞬ピクリと反応した夏帆だけど、私の方に視線を向けようとはしない。
私はそんなことを気にせず夏帆に近づく。
少しの沈黙が流れた後………
夏帆は私の方を見ず、前を向いたまま話し出した。
「………海斗くん、いつもは明るいのにたまにゾッとするような無表情になることがあったの。
その理由が知りたかったけど聞けなかった。」
………初めて聞く、夏帆の本音。
夏帆も薄々気づいていたことに驚く私。
じゃあずっと気になりながら黙っていたのだと。



