「なあ、さっきから周りの視線すげーんだけど俺いけてるってことかな?」
「もー、やめてよ海斗くん。
そんな大きい声で言わないで。」
いつも通りの上原に対し、夏帆もいつも通り返す。
………いつも通りの、上原。
いつも通りの上原って、どっち……?
ふと、そんなことを考えてしまった。
前までの私は表の上原がいつも通りだった。
だけどもう今は………
裏の、本当の上原がいつものあいつなんじゃないかなって。
今の私の中じゃ、そう変わってしまったのかなって思う。
って、何私あいつのことばっか考えてるの!?
バカみたい。
今の考えを忘れるかのようにして屋台に視線を向ける。
祭りなんて滅多に行かないし、楽しまないと。
じゃないとここに来た意味がないから。
「おー!金魚がいるぞ!
金魚の浴衣が着れなかった分、すくってやるか!」
「海斗くん、金魚すくいはできるの?」
「まあ初めてかな!
でも妹に持って帰ってやろう。
………って、こっちにはカメすくいもあるじゃん!待って悩む……!」
だけどはしゃぐ上原を見ると、自分もこんな風に周りから見られるなんて嫌だと思い諦める。
今だって周りの女の人にクスクス笑われてるから!
まあそれがこいつの狙いなんだろうけど……。



