ーー「あのー、須藤くん……」
「ん?なに?」
なに?って平然とした顔で聞くけどさ!
手、手が握られたままなんだけど……!
さっきから須藤くんに振り回されてるような、遊ばれてるような気がする。
………今は祭り会場まで歩いている最中。
多くの人が駅から祭り会場を目指していて、私たちも同じように向かっていた。
「手がですね、その……」
「ああ……小野田さん、人混みに紛れてはぐれそうだから。」
うっ……たしかに電車で人混みに流されそうになったけど。
とにかく周りの視線も感じるし、恥ずかしい。
だけど須藤くんは慣れてるみたいで、周りの視線なんて全く気にしてない。
そんな中、私たちは上原と夏帆との待ち合わせ場所へ歩いていると……
「あ、いたいた!
慎也ー!小野田ー!」
また、こんな人がいる中、全く恥ずかしがらず私たちの名前を遠くから叫ぶように言う上原の声が聞こえてきた。
すでに2人はついているようで。
声のする方を見ると……
「………っ。」
須藤くんと同様、いつもより色っぽく浴衣が似合った上原がいた。
だけどそれ以上に………
夏帆と手をつないでるのが、どうしても視界に入ってしまう。
手、普通につなぐんだ……
そりゃ恋人同士だからね、手なんてつないで当然だ。
だから別に私なんかが気にする必要なんてない。



