ーー夕方の電車は結構人が多く、祭りの最寄りに近づくにつれどんどん人が多くなって、気づけば壁際まで追いやられ満員電車になってしまった。
浴衣を着てる人もちらほらいたし、もちろんカップルもいたのだけど……
満員電車の上に、さっきから感じる視線が痛い。
その視線は私の隣にいる須藤くんに向けられているもので。
『かっこいいー』という女の人の声が結構聞こえてきた。
中にはこんな私のことも綺麗とかって言う物好きな男の人もいて驚きだ。
あ、でもお似合いって呟かれた時は多分それは嘘だと思うけど安心したな。
ちらっと横を見ればいつも以上に近い距離に須藤くんがいて、それだけで恥ずかしい。
………て、いうかさっきから人が増える一方な気がするんだけど!?
ぎゅーって押されるから結構きつい。
そしたらドアの真ん前にいた人が突然反対側のドアから出たいみたいで動き出し、私は変に押されて流れに飲まれそうになる。
あ、これ結構やばいやつ……?
まあ須藤くんとは降りてから合流すればいいか、なんて呑気なことを考えていたら……
「わっ……!」
グイッと、肩を抱かれ引き寄せられる。
完全に肩が触れ合ってしまい、一気に心拍数が上がった。
「大丈夫?」
って心配そうに聞いてくれる須藤くんはやっぱり優しい。
だけど、だけどね………
近くて心臓が!
そもそも色っぽすぎて直視できません私は!



