人気者の上原はいつも不機嫌




どうしようか、と本気で悩んでいたら………



「あー!やっといた……!


3人ともいなくなっちゃったから、びっくりしちゃったよ……って、あれ?


もしかして國崎くん?」



よくない空気を変えるかのように、夏帆のいつも通り変わらない声が聞こえてきた。


全員が夏帆の方を向く。


ふわっと可愛く笑う夏帆だけが、いつも通りだった。



そんな夏帆も見て、すぐに切り替えたのは上原だった。



「おー!悪い悪い!
ちょっと3人の修羅場に出くわしてよー!


いいところで夏帆、来てくれたな!」




人懐っこい笑みを浮かべ、明るい声を出す上原。


切り替えの早さに私は驚いたけど、さすがの洸哉もそんな上原の変わりように驚いていた。


でも、これは逆にチャンスだ。



「じゃ、じゃあ私たちは行くね!
夏帆もきたことだし……洸哉、バイバイ!」



無理矢理笑顔を作り、私は肩に手をまわされている須藤くんの手を大胆にも握り、歩き出す。


須藤くんも空気を読んでついてきてくれた。



一応心の中で、私なんかが須藤くんの手を握ってしまったことに対し謝る。



そんな須藤くんが去り際、一度だけ洸哉を見てこう言った。




「小野田さんに手を出したら、俺だって黙っておかないからね。」



と………。