洸哉は私を真剣な表情で見つめていて、そらすことなんてできない。
「だから俺は別れてからもずっと、真菜のことが………」
と、洸哉が続けてそう言いかけた時………
突然体が引っ張られたような感覚になり、私の掴まれていた腕が洸哉の手からするりと抜けた。
自然と足が2、3歩後ろに下がる。
「………俺の彼女に、気安く触らないでほしいんだけどな。」
そして私の耳に届いのは、少しトーンを落とした須藤くんの声だった。
驚きつつ須藤くんの顔を見ようとしたら肩に手をまわされ、グイッと引き寄せられる。
「小野田さん、何もされてない?」
その声はいつも以上に静かで、距離も近くて肩がびくっと震えた。
「な、何もされてないよ?
ごめんね、普通に話してただけで……」
「………それにしてはお前、簡単に腕掴まれてたじゃん。
どういう状況だったんだよ。
嫌がりもしねぇで相手のペースに飲まれてるし。」
私は須藤くんに返したはずなのに、須藤くんとは反対側から今度は上原の声が聞こえてきた。
「う、上原!?
あんた何ここに来て………!」
あんたが来たら洸哉と修羅場的な感じになるんじゃないの!?



