「ん?どうした小野田?
………あっ、もしかして
この金魚の浴衣、ほしいんだろ?」
「………はぁ?
そんなの違うし。
私は黒系の浴衣がいいの。」
いきなり上原がこっちを見たからびっくりした……。
「んー、黒系の金魚はねぇなぁ。」
「いい加減金魚から離れたらどうなの?」
「えー、可愛いじゃん。
まぁでも、確かに小野田は黒系の方が似合うかな。
顔だけは綺麗だから!」
………わかってる、それが演技だってことぐらい。
嘘だってことぐらい。
だからこそ、不覚にもドキッとしてしまった自分が悔しい。
「顔だけ、は余計だから!」
なんて平静を装って視線をそらす。
何が
『俺のペースが乱される』だ。
それはこっちのセリフだっての。
高校1年、初めて上原と出会った時から私は………
相当、振り回されてるんだ。



