人気者の上原はいつも不機嫌




ーー『どう考えても………消せ……』


『そろそろくる………気を……け……』


ふわふわと夢か現を彷徨っていると、耳に誰かの話し声が聞こえてきた。


だんだんとその声がはっきり耳に届き、私は………


そこで目が覚めた。


「………んん……?」


あれ、私寝てたんだ。
それを理解するのに数秒かかる。



そしたら………


カシャッと、カメラのシャッター音が鳴り、そこで完全に目が覚めた。


前を見るとニヤニヤ笑いながら私にスマホを向ける上原の姿が。


もしかして……


「ちょっと、あんた今何したの。」
「寝起きの写真、撮った。」


「誰の?」
「そんなの小野田の寝顔に決まってんじゃんー!」


その陽気な声に、寝起きの私はイラっとして上原からスマホを奪おうとするけど避けられてしまう。


「ちょっと消してよ!」


そんな時、上原の隣にいた須藤くんが視界に入った。


あれ?
須藤くん帰ってなかったの?


………じゃなくて!