「な、なんで……?
どうして家族の前でも演じる必要があるの………?」
「………それは海斗じゃないからわからないな。
ただ、海斗にも色々あるんだ。」
色々……?
その色々を、私は知らない。
「………海斗と明里の父親は違うんだよ。」
「………え……?」
須藤くんから出た言葉は、また私の知らないことだった。
「だから、今の父親は明里としか血が繋がってないんだ。
まあそれが全部原因ってわけじゃないだろうけど、海斗にも考えてることがあるんだろうね。」
そんな………。
学校でも、家でも偽りの自分を演じていたらさ………
「自分、潰れないの……?」
本当の自分がわからなくならないの?
「………海斗は潰れはしないだろうけど、相当しんどいだろうな。
俺だったらそんなことできないから、海斗がすごいよ。」
………上原が、すごい。
それに似た言葉を上原も須藤くんに対して使っていた。
きっとお互いが1番、お互いのことわかってるんだろうな。
抱えているものも、全部………
「2人とも、早くおうち入ろう?」
「早くこいよー!」
少し離れたところで上原と明里ちゃんが立ち止まり、私たちを笑顔で見ていた。



