「な、ん、で今日も残らないといけないの!?」
「仕方ねぇだろ。夏休み補習とテストあるんだから。」
「でも私必要ないんだよね!?
じゃあ今回くらいいいじゃない!」
………夏休み間近の今日。
上原が言った通り夏休みに補習とテストがあるらしく、今日も絶賛バカを演じている上原。
それに巻き込まれているのは私と、須藤くんである。
「別にお前、どうせ暇なんだろ。」
暇って……!
私だって家でゆっくりしたいんだけど!?
そんな私たちのやりとりを見て、須藤くんは笑っているだけだった。
「ねぇ、須藤くんもこのバカになんか言ってよ。」
「うーん、海斗には何言っても無駄だと思うよ?」
えー……、須藤くんにそう言われちゃったら何も返せないよね。
「………お前って毎度毎度、慎也の言うことは聞くんだな。」
「うるさい!」
だって須藤くんは優しい人だし、上原なんかより信頼できるに決まってる。