そんな須藤くんの言葉には、女の人たちも驚いているようで………


「し、慎也、どうしちゃったの……?」
とまで言う始末。


だけど須藤くんは気にする様子もなく、にっこり笑いながら



「じゃあ、もう行くね。」



と2人に言い、呆然とする私の腕を掴んで歩き出した。


まだ遠くで2人の声が聞こえてきたけどうまく聞こえなくて、私は須藤くんについていく。



そ、そんなに中身も綺麗な人間じゃないんだけどな、私って。


気が強いし、口も悪い時もあるし………


それを綺麗、って言う須藤くんは何を考えているのだろう。


少しして、ようやく須藤くんの手が離れた。


「ごめんね、色々巻き込んじゃって。
あの2人が言ってたこと、気にしなくていいからね。」


「あ、うん……大丈夫……。」


大丈夫ではないけど……。


まだまだ子供の私には少し濃い内容だったかな、なんて。


それにあの人たちの言い方的に、須藤くんだけじゃなくて上原とも関係を持ってるって、ことだよね……?


それって………


「須藤くんと上原で、女の人を取り合いになったりしないの?」


こういうことも起こりうるわけだ。


だけど須藤くんは
「それはならないね。」ときっぱり言い切った。



「そもそも俺も海斗も、そういう女たちに好きとか気になるとか感情を一切持ったことないかな。


だから海斗のところに行ってもいいし、彼氏がいたって構わない。


そんな俺たちを女たちは都合よく思ってたんだろうね。」


「そ、そっか………」


いや、でもそのうちの何人かは絶対2人のこと、好きになってるような気がする。