「だから私はね?
慎也みたいな優しく包むような、甘い刺激が好きなの。
ねぇ、どうしてもダメ……?」
なっ………!
こんなところで大胆に誘うのは、予想外だった。
須藤くんはそんな女の人に対し表情1つ変えないし、女の人も恥ずかしそうというよりむしろ妖艶に笑っているようにも見える。
だからまだまだ3人の次元に届いていない私だけが、関係ないのに顔があつくなる。
女の人は須藤くんが返すのを待っていた。
そして………
「………さっきも言ったけど、俺はもうやらないよ。」
須藤くんは少しトーンを落とし、女の人が絡めている腕を離しながらそう言った。
そのまま私の方に来る須藤くん。
「………ね、ねぇ。
もしかしてその子がいるから無理なの?」
そこでようやく女の人が私を視界にとらえたけど、怖い……!
もう視線が痛くて、怖くてそらしたくなるのを我慢する。
なんだか負けたような気がするから。