「いつまで笑ってんだよー。」
「ご、ごめんごめん……。」
こいつは私を怒らせるのも、笑かせるのも得意な天才なのかもしれない。
「笑った罰でまた勉強教えろよな。」
「は?それは話が別。」
「マジで頼むよ、補習の後のテストに合格しないと単位もらえなんだよー。」
いっつも思うけど、なぜ私がテスト前とテスト後にまで上原に勉強を教えてやらないといけないのだ……!
でも、ね。
「なんか奢るから!」
その明るい笑顔に、私も負けるのだ。
腹立つところもあるけど、確かにこいつが人気の理由もわかるし夏帆が好きなのもなんとなくわかる。
だからって私は何度も言うけど須藤くん推しだけどね!
そう思いながらも私は
「じゃあ勉強教えた日、全部奢ってよね。」
「よっしゃ、任せとけ!」
と言って、結局上原に勉強を教えてやるのだ。