「いや、そこまでしなくていいかな。
一位取れたら嬉しいだろうけど、別に今のままでいい。」
須藤くんは本気でそう思っているようで、そこまで執着心がないのだろう。
そもそも須藤くんに欲というものはあるのかな………。
「慎也って本当に何事にも興味を示さなねぇんだな。1位とれたら小野田見下せるんだぞ?」
はぁ!?
上原も私と同じこと考えてたのかってちょっと思ったけど、後半の言葉はおかしくない!?
私を見下せるって……!
「須藤くんはとっくの前に私を見下せる人間だから!上原に見下されるのだけはムカつくだけ!」
「………なんか俺、小野田さんから相当上の人間に見られてるんだけど……」
「当たり前だよ!
みんなも須藤くんを敬ってるよ?」
「大げさだなぁ。」
私の言葉に須藤くんは笑う。
本当に綺麗に笑う人だな。
距離は感じてしまうんだけど………。