「じゃあそこまで演じる必要ある?」
上原も須藤くんみたいに一線引いて高嶺の王子様になればいいのに。
「………慎也とキャラ被るし、それ以前に一線の引き方は人それぞれだから。
慎也みたいに踏み込ませないタイプもいれば俺みたいなタイプもいるから。
人気者、みんなと仲がいい。
表の自分には全然踏み込んでくれていいから、みんな騙される。
慎也はその2つを演じるのさえも嫌なんだろ。」
その瞳が、声がどこか冷たくて
少し怖いと思ってしまう。
やっぱり上原は須藤くんと同じ、闇を感じる。
上原にも何か、あったのだろうか。
だけど須藤くん同様、私なんかが触れるわけにもいかない。
だから私は自分で聞いたくせに軽く流して須藤くんの話へと変える。
「へぇ、そんな裏があったんだ。
あ、でも須藤くんも表と裏があるよね?」
「裏?
あれはみんなわかってるだろ、慎也が心の中でなにを考えてるかわからないっことくらい。
慎也の場合、裏が見え隠れしてるからな。」
「まあ、確かにそうなんだけどね……」
そんなことを言われるとなにも返せなくなる。
だって上原の言ってることは正しいから。



