だって頭の賢さだけってなんなの……。
「………それだけじゃない気がするけど。」
ぽつり、と呟くように言った上原の声は私の耳にまでしっかり届いた。
「え……?」
上原は私を見つめる。
「なんだかんだ言って、小野田って優しいだろ。友達思いだし。
そもそも今まで俺に勉強を教えてくれたしな。
小野田がどんなに勉強を頑張って教えてくれようが、俺はバカを演じるためにわざと間違えて最下位とかとってたのに、それでも小野田はずっと教えてくれてたじゃん。
そんな人間の取り柄が頭の賢さだけっておかしいだろ。」
………上原の揺るがない瞳から視線がそらせない。
上原にこんなこと言われるとは思ってなかったけど………
少し、嬉しいと思ってしまった。
ちゃんと見てくれてたのだと。
見てくれてる人がいるのだと……。



