「じゃ、じゃあこれからは高校の最寄りの駅で待ち合わせして行こ?
それでもいいでしょ?」
さすがに毎回家まで来てもらうのは悪いからな……。
「いいけど……気遣わなくていいのに。」
「き、気遣ってるつもりはないよ?
さすがに毎朝家の前にイケメンがいたら心臓がもたないかなー、なんて。」
あははって笑うけど、すごい棒読みだったのが自分でもわかった。
「………小野田さんは面白いこと言うんだね。」
これは……棒読みだって絶対バレたよね。
なんて思いながらも私は笑ってごまかし、駅へと向かう。
その途中に私は須藤くんの怪我のことを聞いてみた。
「須藤くんのさ、その怪我も親じゃなくて族?たちの喧嘩でのものなの?」
「………ああ、そうだよ。
一昨日にさ、俺の携帯鳴ったでしょ?
あれ、仲間からの助けでさ。
それで海斗と一緒に駆けつけたんだ。
まさか4人同時に殴りかかられるとは思わなかったな。
そのせいでこんなあざになったんだけど、もう痛くないから大丈夫。」
じゃあ、助けの電話だから上原も行ったのか。
それなら須藤くんの『今日だけは許してあげてほしい』って意味がつながる。
……って、ちょっと待って。
「よ、4人同時!?
絶対まだ痛いでしょ!?」
まだ全然あざ大きいし、ガーゼで隠してても見えるし………。