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「……私は妹の代わりじゃなかったのね……」


《血印の書》の封印が解かれたことによって記憶を取り戻した私は、呆然とそう呟いた。

それはエリオット王子も同じだったようで、顔を顰めてこめかみを抑えている。

(エリオット王子は、この計画の目的を、私に言わなかったのではなくて……言えなかったんだわ)

彼も私と同じように、封印が解かれるその日まで、《血印の書》に関する全ての記憶を失っていたのだから。

ただ、両陛下から与えられた命令を、何も知らされないままで遂行していただけなのだ。


「エリオット王子……」


声をかけようとした瞬間、突き上げるような揺れが襲い、私は耐え切れずに地面に膝をついた。