「あなた、私のことを心配してくれているの?」
恐る恐るそう口にすると、エリオット王子はまさかそんな返答が来ると思わなかったのか、眉をひそめて、顎に手を当てた。
「心配、心配……?そうか、俺は君を心配しているのか……」
「ちょっと、自分の世界に入らないでくれるかしら」
自分自身でも自覚していなかったのか、エリオット王子は戸惑いの声を上げている。
私は呆れたと口には出さないものの、目を細めて男を睨み付けた。
「心配は無用よ。上手くやってみせるから」
「俺の婚約者は頼もしいな」
そう言われて、妹……いや、今の自分は一応、彼の婚約者である事を思い出す。
ロゼッタは、一体彼にどのようにして接していたのだろうか。


