「……朝…」


俺は、ぼんやりとする意識の中で、ゆっくりと目を開ける。



……ん?


…なんか重い…



「……は…?」


重いものを見ると、見慣れた人がズッシリと俺の体の上に乗っかっていた。


…なにしてんだこいつ…


俺はどかそうと押してみるが、思ったよりも重く、どかせる気配がしない。



…あ…今何時……


「……っ」


俺は時間を見て、ガバッと勢いよく起き上がった。


「やばっ…」


「んがっ…」


俺が起き上がると、涼太は変な声を出してゴロンと転がった。



「…あ…わるい」


俺は涼太にそう言うと、急いで迎えに行く準備を始める。


…また寝坊かよ…


…もう…泣かせたくないのに…



俺が準備をしていると、涼太は目を擦りながら言った。



「…もう熱下がったの?」


寝起きだからか、まだ涼太の声が少し低い。


「…あぁ…そういえば…俺…熱あったか」


…忘れてた…


昨日の記憶が、次々にパッと頭に浮かんでくる。


…あぁ…そういえば俺…


あいつに好きだって…言っちゃったんだっけ…



涼太がまだ眠そうに、よたよたしながらこちらに近づいてくる。


そして俺のおでこにピトッと手を当てた。



「…熱ないね…」


涼太はそう言うと、へらっと笑う。



「ありがとう」


俺が照れ隠しに目をそらして言うと、涼太は「いいえ」と言ってから、


眠そうに制服に着替え始めた。


「………」


涼太は朝は静かだな…



いつもバカみたいに声でかいのにな


俺は失礼なことを心の中で呟やいた。



「…ふぁ~…けーちゃん準備はやくない?そんなに急がなくても間に合うよ」


涼太は、のんきにあくびをしながらそう言った。




「……俺ららの家、迎えに行くから」



……あ…


咄嗟に出たその言葉に、後悔をするのは数秒後で、


やっぱり朝は頭が働いてないのだと改めて思う。



「ふ~~ん…そっかぁ……って…」




「えぇぇ~~~~?!」