……それ…俺が言ったのか……
…涼太のこと…りょうりょう……
「……うっ」
いや、無理っ
「ちょぃ、ちょぃ、けーちゃん気持ち悪くなっちゃってんじゃんっ」
……お前それ…
「マジで言ってる?」
…確かに俺は熱出すと、その時の記憶がないなぁと思ってたけど…
…まさか自分がそんなんなってるとか思わないだろ?!
「…マジだよ」
涼太は、はぁっとため息をつくと机にだらんと顔を伏せた。
「…マジか…」
確かに今思えば、昔から俺が熱を出したときに、涼太が意味のわからないことを言っていた。
俺は、ぽけーっと放心状態になり、頭にはららが浮かんでいた。
……もし俺が、本当に好きだって言ったんなら…
……あいつは…どう思ったんだろう…
「涼太、あいつ何て返事したんだよ」
俺がそう問いかけると、涼太は顔を伏せたまま言った。
「……特に何も言ってなかったけど……聞いてみれば?」
…聞いてどうすんだ…俺は…何がしたいんだ……
「……や…いい…」
…てゆうか…なんで好きだとか言ったんだよ俺…
……意味わかんね……
俺はモヤッとする気持ちを誤魔化すように、食器を片付け始めた。



