涼太は、我が子の成長を見守る親みたいに、優しく微笑んだ。



「……確かに、あの頃はチビだったけど…今は同じくらいだろーが」


俺は涼太に反抗するようにそう言った。


まだ…俺の方が小さいけど…



あの頃よりはだいぶ伸びたと自分でも思う。



「あははっ…まだ俺の方が大きいけどね」


涼太は、余裕な表情でそう言った。



思っていたことを言われ、俺はムッと涼太を横目で睨む。



…なんだよ


俺だってまだまだ伸びるし、涼太なんかすぐ越してやる。



…とか言ったら…


…またからかわれそうだからやめとく…



少しの沈黙の後、涼太はゆっくりと口を開いた。



「…けーちゃんとさ、公園で出会ったときね…」


昔の話に、俺は自然とグッと構えてしまう。



こんな改まって話すことは、普段あまりしないからかもしれない。




「……俺みたいだって思ったんだ」




その言葉を聞いて、俺の頭の中には、ある人の姿が浮かんだ。




それはららが公園のベンチで、


俯いて座っているところだった。



俺はあの時、涼太が今言ったみたいに…



_昔の俺みたいだって思ったんだ。



「…状況は違うんだけどね、なんか…ひとりぼっちの俺と重ねちゃったんだよね」



俺は、涼太の方へ視線を向ける。


俺が視線を向けると、涼太は目を細めてニッと笑った。




「……けーちゃん今、楽しい?」




_いつもこうやって当たり前みたいに側にいてくれて、



今みたいに、無邪気にニッと笑う涼太に、



_ずっと助けられてきたんだな、俺




あの日から…ずっと…




「……バカみてぇに楽しい」