「……ぶーーっっ」
わわっっ?!
いきなり吹き出したかと思えば、涼太くんはゲラゲラと大爆笑してしまう。
涼太くんが…
と、とても笑っている……
私が状況が理解できず、あたふたとしていると、涼太くんが大爆笑しながら言った。
「けっ…けーちゃんがっ…あはっ…ドSっ……ぶーーーっ…ごほっ…げほっ」
…わ、笑いすぎて咳き込んでます…
「待ってっ…はぁ…もうダメ俺…笑いすぎてお腹痛い……」
涼太くんは肩ではぁっと息をしながら、涙を拭っている。
「…ふぅ…けーちゃんがドSなところなんて見たことないよ、てゆうか、ららちゃん発言が唐突すぎてやばいね」
涼太くんはふぅっとひと息ついた後、眉を下げて笑いながらそう言った。
み、見たことがない……
…親友の涼太さんでも…
じゃぁ…
なんで私にはドSなんですか~~っ
私はもうよく分からず、ぐっと自分のほっぺをつまむ。
「何してんの?」
涼太くんが、また吹き出しそうになりながらそう問いかけた。
「ゆ、夢…?」
「あはははっ…もはや意味わかんないよっ…はぁ…俺、笑いすぎてお腹痛いからもう行くわっ」
涼太くんがはぁっと肩で息をしながら、また私に手を振った。
あっ…そ、そっか…
涼太くんは蛍くんに薬届けるって…
私は急いで涼太くんに、手を振り返す。
すると、今度こそ涼太くんは私に背を向けて歩き始めた。
でも、少し歩いたところで涼太くんはピタリと止まって、こちらを振り返った。
「また、会おうね」
それだけ言って、涼太くんはすぐにまた前を向いて歩き始めた。
……また…
その言葉が嬉しくて、私は自然と頬が緩む。
「…はいっ…」
私は、涼太くんの遠くなった背中を見つめながら、小さく返事をした。



