俺がパーカーを被せただけでビクッとする男の子に、
俺は"あぁ…そうか"と、
何の感情か分からない、でも悲しい気持ちに似ているような、気持ちになった。
『……あり…がとぅ……』
男の子の声を初めて聞いたのは、その感謝の言葉だった。
『いいえっ』
俺は目を見てそう言った。
できるだけ、怖くないよって伝わるように。
『……お前…がっこう…ちこくするんじゃ…』
『はい、これティッシュ』
あとは~…
俺はカバンをガサゴソと手で探る。
『はい、絆創膏(ばんそうこう)』
『………』
あれ、固まっちゃってる。
『………ふっ…』
……笑った……
名前も知らない、俺より小さい彼の笑った顔は、あどけなさが残っていて、
すごく可愛い。
『……これくらい大丈夫』
男の子はそういうと、ゆっくり立ち上がる。
立ち上がると、俺にパーカーをスッと差し出した。
『……これも…ありがと…』
男の子は照れた様子でそう言った。
_きゅんっ
『かわいい~~』
この子ぬいぐるみみたいで可愛い~~
俺は、男の子の頭をわしゃわしゃと撫でる。
『はっ…や、やめろっ…きもいっ』
小さくて可愛い~
『しかも俺とお前っ…同期だしっ』



